金沈着現像法を用いた金膜写真形成において,金微粒子分散膜を金膜に変換する焼成過程を調べた.金微粒子からなる写真像を保持しているゼラチン膜は,昇温とともに400℃付近で炭化し,500℃までに燃焼消失する.金微粒子はその間垂直方向にのみ圧縮されたまま溶融して金膜となるので,高い解像度を保持すると考えられる.900℃でも金微粒子は完全には溶融しておらず,数100 nmの塊がさらに凝集した状態の金膜であった.