本研究では,顔画像から受ける人物印象に与える画質の効果が,相貌や性別といった個人差によって異なるのかどうかを検討した.相貌および性別の異なる複数の顔画像を実験に用い,それらの画質をコントロールした刺激画像上の人物の印象を3個の形容詞対(「親しみやすい-親しみにくい」「活発な-おとなしい」「まじめな-ふまじめな」)からなる5件法の質問紙によって被験者に評価させた.その結果,相貌や性別に比較的関係なく効果を及ぼす画質操作と,相貌や性別によって効果の異なる画質操作があることが分かった.