写真家福原信三・路草の甥として,幼少期から写真に親しみ,大学のカメラクラブでは一応の撮影や暗室技術を学んだ.当時の主流のフォト・ジャーナリズムやサロン写真ではなく,科学写真に興味をもち,草分けとして活躍した.特殊撮影の用具を手作りしたり,コダックのブックレットで勉強したりした.使用機材やレンズ,フィルムなどは使いこなして判ることが多い.社会人となってからは40年近く,蘭の花の写真を撮り続けている.父が遺した蘭のコレクションを育てながら,栽培条件下での園芸植物として蘭の花をそのまま記録することに焦点を当てている.蘭の花の美しさを記録するため,花とカメラの位置や昆虫からの目線,花の質感を出すこと等々工夫を重ねてきた.写真を撮ることについての一考察を記す.