構造式の3位に活性メチレンを有しているため, キノンジイミン (QDI) とのカップリング反応に期待が持たれる, 2種類のピラゾロイミダゾピリジン, 1H-ピラゾロ [5', 1': 2, 3] イミダゾ [4, 5-b] ピリジン (PIP-A) 及び1H上ピラゾロ [1', 5': 1, 2] イミダゾ [4, 5-c] ピリジン (PIP-B) を合成し検討した結果, これらはQDIとカップリング反応が可能であり, 互いに類似した分光吸収スペクトル特性を持っシアン発色色素 (PIP-A-Dye及びPIP-B-Dye) を形成することが認められた。 さらに, PIP-A-Dye及びPIP-B-Dyeを従来のフェノール系シアンカプラーから得られる色素と比べると, 1) 吸収極大波長がかなり短波長であるが, 2) 分光吸収スペクトルの形は非常にシャープであること, 3) 暗退色に好ましいと思われる卑な還元電位を持つことが分かった。