ヒドラジン伝染現像を利用した超硬調システムは, メトールーハイドロキノンやフェニドンーハイドロキノンなどの超加成性現像主薬系と多量の亜硫酸塩を含む現像液が使えるため, 迅速性と安定性にすぐれ, 従来のリス現像に代わる印刷製版用写真感光材料として, 広く用いられてきている。富士フイルムSUPERGRANDEXシステムで開発された “ミクロ現像抑制技術” は, この迅速性と安定性に加えてさらに高画質を付与することを可能にした。この技術は, 1) 上記現像液系で機能するレドックス放出機構, 2) 造核現像を選択的に抑制する抑制剤, 3) 現像液に溶出した後の抑制剤の不活性化機構, 4) D maxを保って隣接部を効果的に抑制する感材設計を含んでいる。本報ではこれらの技術の概要を報告する。