種類の3-置換インダゾール (IND) を合成し, キノンジイミン (QDI) とのカップリング反応性を調べたところ, 3-スルホンアミドIND (IND-1) と3-ホスホロアミドIND (IND-2) だけが, IND環上の7位の炭素原子においてQDIとのカップリング反応が可能で, 浅色的なシアン発色を示した。分光吸収スペクトルの半値幅が狭くシャープである点と, 400-500nm領域における不要な2次吸収が小さい点で優れている。 IND-1とIND-2がQDIとカップリングする機構1を考察し, 以下の3つの重要なポイントを導きだした。すなわち, 1) 2H-IND構造 (キノノイド構造) の2-NHと3-NHSO2-(3-NHPO-) との水素結合形成による, 2H-IND構造の安定化, 2) 3-NHSO2-(3-NHPO-) の解離3) 3-N-SO2-(or 3-N-PO-) のアニオンが7位炭素原子へ移行し, アニオン化した7位炭素原子のカチオン親和性が高まると推定されること, の3点である。しかしながら, INDの7位のみならず5位でもカップリングすることが考えられるので, カップリングの位置を明確にすべくさらなる検討を継続中である。