著者らが先に見いだしたピリジニウム塩とメトール (M)/アスコルビン酸現像液による新規超硬調システムにおけるホウ酸塩の造核現像過程への関与を現像進行性の面から検討した。その結果, 造核現像進行性は現像液中のアスコルビン酸ナトリウム (AANa)/メタホウ酸ナトリウムモル比に依存していることがわかった。同モル比が1.0以下の時に造核現像は良好に進行したが, 同モル比が2.0以上では造核現像は抑制された。ホウ酸塩はAANaと錯体形成しAANaの還元力を弱めることにより, MoxからMへの再生過程とMoxによるピリジニウム塩由来のジヒドロピリジン誘導体 (DHPy) の酸化に伴うイメージワイズな造核活性種生成過程の間のバランスをとる役割を果たしていることが示唆された。