マルチメディアは, 映像や音声, 文字等のメディアを, 電子的手段により有機的に統合化したメディアである。そこでは受け手は同時に送り手となる。従って, その設計及び評価に際しては, 従来のテレビや映画以上に, ヒューマンファクタに対する配慮が必要となる。人間による評価は, 一般に主観評価と呼ばれる。主観評価はソフト, ハードの双方に有効な評価法となる。本稿では, テレビジョン画質の主観評価法を中心に, 主観評価法の概要を紹介する。また, マルチメディアでは情報の統合効果が重要であるが, 現在のところ, これについての検討は緒についたばかりである。そこで, ここでは, これまで行われている音声や文字単独の主観評価法について, あわせて紹介することとする。