ラジオアイソトープ198Auで標識化した塩化金酸及び35Sで標識化した硫黄増感剤 (チオ硫酸ナトリウム及びトリエチルチオ尿素) を用いて198Auと35Sの配分と状態を分析し, 臭化銀乳剤における金増感中心の化学組成と構造に関する知見を得よつと試みた。その結果, 金硫黄増感中心はハロゲン化銀に固溶した硫化銀の会合体に付随した格子間銀イオンをAu+が置換したものである事が示唆された。また, 金増感と還元増感を併用した場合に生じるかぶりは還元増感中心への金の取り込みに起因する事が分かった。