膜中でJ凝集体を形成するシアニン色素;チアカルボシアニン色素 (Th (φ)), ナフトチアカルボシアニン色素 (Nap (φ), Nap (Et)), キノシアニン色素 (Pic, Sch), オキサシアニン色素 (Oxa), チアシアニン色素 (Tha) の中から構造の類似した次の組み合わせを選び, LB膜中で混合J凝集体を作成した;Th (φ) +Nap (φ), Oxa+Tha, Nap (Et) +Nap (φ), Pic+Sch。Th (φ)/Nap (φ)/C20 LB膜, Nap (Et)/Nap (φ)/C20 LB膜の吸収スペクトルは単一のJバンドで特徴づけられるのに対し, Oxa/Tha/HDLB膜とPic/Sch/C20LB膜では2本のJバンドが見い出された。これらの混合J凝集体の吸収特性を, コヒーレントポテンシャル近似 (CPA) にもとついて詳細に検討した。その結果, Th (φ) +Nap (φ), Nap (Et) +Nap (φ) の組み合わせでは融合型 (HA型) 凝集体が生成するのに対し, Oxa+Thaでは自己主張型 (HP型) 凝集体の生成が予測された。Pic+Schの組み合わせはHA型とHP型の中間的性格を持つことが示された。