絵画の記録・再現を目的とした高精度なカラーマネージメントシステムを開発した。このシステムは従来の銀塩写真システムに代わり, 高精細マルチバンドディジタルCCDカメラ, パーソナルコンピュータおよびディスプレイシステムによって構成される。マルチバンドカメラは5枚の光学フィルタとエリアセンサ型のモノクロームCCDチップで構成され, 被写体の各画素の分光反射率を5バンドの画像データから推定する。フィルタのバンド数および分光透過率は, 絵の具の分光反射率の主成分分析とシミュレーテッド・アニーリング法を用いた最適化によって求めた。このようにして得られた絵画の画像は人間の色の見えを考慮して再現される。 この論文では, 5バンド画像データからの分光反射率の推定方法とフィルタの分光透過率の最適化について述べる。