画像安定剤を分子内に組み込んだ1H-ピラゾロ [5, 1-c]-1, 2.4-トリアゾールマゼンタカプラーについて合成した。このカプラーから誘導される画像色素 (CD-3アゾメチン色素) の耐光性は, 安定剤とカプラー骨格をつなぐ連結基の長さに影響されることがわかり, 原子数5の連結基を有する色素で耐光性が極大になることがわかった。この要因を1HNMRと分子動力学計算から解析したところ, 連結基の原子数が4または5の場合に, 画像安定剤末端のスルポニル基 (-SO2-) とCD-3に由来するスルホンアミド基 (-NHSO2-) の間に分子内水素結合形成が認められ, その結果, 画像安定剤部分と色素母核とが接近し, 混み合ったコンフォメーションをとることで, 耐光性を向上させていることが示唆された。