優れた光電特性を有する高分子材料を調製するため, カルバゾリル基を側鎖に導入したポリペプチド (ポリ {γ-[β-(N-カルバゾリル)-エチル]-Lグルタメート}) (PCLG) を合成した。α-ヘリックス構造を有する剛直な高分子であるポリペプチドは主鎖方向に大きな双極子モーメントを有するため, 成膜時に電場を印加することで主鎖を配向させることが可能である。この配向状態を誘電率より算出した配向係数を用いて評価し, 光電特性との相関について検討した。分子量の低いPCLGほど電場配向の影響を受けやすく, また配向性の増加に伴い高い光電流/暗電流比が得られた。このことは分子の規則的な配列が光電特性向上に有効であることを示唆している。PCLG電場配向膜は剛直な主鎖が電場配向されているため, 熱的な配向性の変化が起こりにくいと考えられる。100℃で2時間熱処理を行ったPCLGポーリング膜は処理前と同様な電気特性を示し, 良好な熱安定性を示すことが明らかとなった。