過飽和度 ( S ) と反応物添加速度 ( Q ) の関係式を用い, コントロールダブルジェット法における単分散AgCl粒子の臨界過飽和度 ( S *) を, 電位差測定により実験的に求めた。立方体粒子に於いて, S < S *および S > S *の領域における理論式は, それぞれ ( S -1) = Q /12 DConsLs ,( S -1) = Q /12 DCo ( nsLs + nnLn ) と導かれた。但し D は拡散率, Co はバルク固体の溶解度, ns および nn はそれぞれ種粒子および新核の個数, Ls および Ln はそれぞれ種粒子および新核の辺長である。( S -1) と Q/nsLs の関係に現れる屈曲点での S を S *と定義した。 S *のこの定義の妥当性を透過電子顕微鏡観察により確認した。pCl13.0, 50℃の条件において S *=1.077~1.097を得た。 S *は種粒子のサイズや個数に事実上依存しなかった。また臨界核サイズ, 臨界成長速度, 成長の駆動力の大きさについて考察した。