著者である日本近世史研究者が, 現在どのような場面でディジタル機器と「遭遇」し, その際どうしたら「使えるのか」について述べてみたい.また, 筆者たちは歴史系博物館において, ディジタルイメージング技術をどのように展示に活かすことができるかについても実践的な研究を行っている.そこで本報告では,(1) 日本近世史研究におけるイメージング技術の現状と課題,(2) 歴史系博物館での展示における現状と課題, の二点について述べることにする.まず日本近世史研究における現地調査 (現状記録調査)・史料収集 (史料撮影)・研究 (解読)・保存 (撮影した情報の保存) に関する現状と課題について概説し, 課題解決のためにディジタルイメージング技術へ期待することについて述べる.さらに, 歴史系博物館での展示上での現状と課題について現在考えていることを述べるとともに, ディジタルイメージング技術による課題解決支援の可能性を検討する.