我々は高輝度プロジェクタを用いた質感再現システムを構築するために, 色一致, 視点追従の光沢画像生成手法を開発した. 色一致では, プロジェクタに入力するRGB値と投影により生じる反射光強度のXYZ三刺激値との関係を解析し, PCAスプライン手法とLUT手法の両者を複合的に用いる方法を提案した. 光沢画像生成手法はプロジェクタ, 物体, 視点位置と物体の反射特性から光線追跡を用いて生成画像を決定する手法を明確にした. また, 光沢画像再現を観察者の視点移動に追従すべく, 簡易な計算手法も提案した. 計測された観察者位置に基づき, 光源位置を仮想的に移動させることで光沢画像を簡易に生成でき, リアルタイムな追従が可能である. これらの手法を用いて, 光沢感などの質感再現について主観評価を行った. 光沢を持つ実物体と本手法による再現物体の比較を14人の10段階評価で行い, 再現画像について平均点7.1点, 標準偏差0.61と高得点を得ることができた. この結果から本手法の正確さが確認できた.