画像保存性評価方法の目的は, 実際に画像が設置される環境で起こる画像劣化をシミュレートし, その劣化要因による寿命を予測することにある. ここで取り扱う画像保存の想定環境は, 人々が暮らし, 画像が飾られたり保存されたりする屋内環境を指しており, 屋内における耐光性, ガス耐性, 暗保存性試験方法に絞って解説する. 現在, 耐光性試験としては, キセノン耐光試験機を使用し, 屋内の光分布をシミュレートするために紫外線カットフィルタ (例: SC-37) を採用することが検討されている.ガス耐性評価としては, 特に染料系インクジェットプリントに対し, オゾンガス試験が必要なことは既に多くの研究者が認めている. また, 暗保存性評価法には, アレニウス評価方法が依然として有用である.