肌色の記憶色の研究において, 面である顔の肌色の代表値を得ることは常に要求される. これまで主に頬や額といったいくつかの部分の平均値, あるいは顔肌部全体の平均値が用いられてきた. 本研究は私たちが顔を見て得られる印象にもとつく代表値の決め方を提案するものである. 20名の学生を被験者とし, サンプル顔画像に, その肌色部の色相が統一された画像をカラーマッチングしてもらい, マッチングされた色相を代表値とした. マッチングされた値は頬部と顔肌部全体の平均値の間の値であり, その色は頬部を取り囲むように分布している. 特定できる測色場所として眼の下まぶたを提案した.