納豆粒の構造特性を検討するため, 研究室規模で作製した納豆粒の圧縮に対する応答特性および組織構造変化を測定, 観察した。その結果, 以下の知見が得られた。 1)クリープメータによる測定の結果, 荷重は圧縮率30%程度まで直線的に増加したが, 40%付近で破断特性を示す降伏点らしきピークが観察され, 50%以降は再度増加する傾向を示した。 2)圧縮された納豆粒の圧縮断面と平行な断面の組織構造を観察した結果, 圧縮率40%で臍の内側組織付近における亀裂の発生が確認された。一方, 圧縮断面と垂直な断面では, 圧縮率40%で子葉の接触面における断裂が観察された。 3)圧縮率50%以降の荷重値の増加は, 崩壊した組織自体あるいは個々の子葉細胞が荷重を支え始めたことが原因であると推察された。