本研究は, 舞踊創作時に感じられる状態不安および実際の創作活動に及ぼす, 創作経験の有無, 不安特性の高低の影響を検討し, 舞踊創作指導の手がかりを得ようとするものである。 高不安経験, 高不安未経験, 低不安経験, 低不安未経験の4群計20名を対象に, 変化創作と自由創作の2課題を設定し, 課題解決時 (動きづくりの過程と発表) の状態不安を, 原岡の不安測定尺度を用いて測定した。同時に使用領域の位置や大きさ, 創作中の立ち止り, 作品の長さをVTRに記録し分折した。 その結果, 舞踊の創作過程に関して以下のことが明らかになった。 1. 高不安者は, 低不安者に比べ全場面を通じて状態不安が高い傾向にあり, 状態不安に及ぼす不安特性の影響は, 創作経験に比べて大きい。 2. 空間の使用は, 不安によって妨害されやすく, 2不安者は使用空間が小さい。また舞踊においては, 与えられた空間の中央部が強く意味づけされている。 3. 創作中の立ち止りは, 高不安者や未経験者に多く見られ, 創作を進めるための1つの踏台であると考えられる。