これまでNPOに導入されてきた事業評価には,サービス特有の成果測定の困難さがつきまとうなど不都合が多い.そこで本稿では,よりメリットがあると考えられる組織評価をNPOに適用する.特に,助成財団の経験知から導き出した日本全国24のNPO支援センターに対する評価について細目化を試み,そのデータの妥当性を検討する.具体的には,これまで助成財団側が自覚してきた組織評価の2軸1)組織の特性と2)リーダーの特性に,新たな3)企画力と4)組織力の2軸を加えた評価軸による説明力を調べる.その結果,この4軸により助成財団側の助成審査ノウハウが凝縮された組織評価をほぼ再現できること,特に企画力と組織力は評価軸の中でも潜在的な決定力を有する可能性もあることが分かる.さらに,この2軸の充実を図った上で自主事業の展開を行うことこそが,NPOが自律的な成長軌道に至るためには,重要ではないかという議論も行う.