馬ウイルス性動脈炎 (EVA) の清浄国で安全に検査できる血清反応として, 不活化抗原を用いた補体結合 (CF) 試験の開発を試みた。抗原の不活化はそれぞれ紫外線照射, 50%エーテル, 70℃加熱, 0.1%ホルマリンで実施した。抗原はウイルス感染価においてエーテルとホルマリンで効率良く不活化されたが, 紫外線照射とホルマリン処理はCF価へ何等影響を及ぼさなかった。エーテル処理はCF価を容易に低減させ, 紫外線照射のウイルス感染価への作用は不確実であった。加熱処理はウイルスを充分に不活化しないばかりか, CF価も低下させた。従って, 以降のCF試験にはホルマリン不活化抗原を用いて実験した。 不活化抗原を用いたCF試験の評価を行うため, 中和試験においてEVA陽性の6頭の馬血清について試験した。中和抗体価1:128-1:256を有する3頭の血清はCF抗体価1:4-1:8を示したが, 中和抗体価1:64以下の3頭の血清はCF反応で陰性であった。