アメリカ合衆国における公共図書館の児童向けWeb版OPACについて,検索機能および利用者への応答や説明などの観点から,評価基準FREDに基づき現状を調査した.加えて,アメリカ合衆国の学校図書館Web版OPACの既存の調査結果との比較を行い,両者の差異について考察した.その結果,公共図書館の児童向けWeb版OPACは,学校図書館Web版OPACと比べて,Response(検索システムから児童への応答)に関しては優れているが,Diversity(検索システムの機能の多様性)に関しては劣っており,児童の発達段階に応じた多様な検索機能が充分に備わっているとは言えないことが明らかになった.さらに,Web版OPACのキーワード検索や件名検索の機能については,公共図書館の児童向けWeb版OPACおよび学校図書館Web版OPACの両方で,Web版OPACに不慣れな児童を支援するのに充分な機能が備わっているとは言えず,児童の情報活用能力の育成支援の観点から,今後の改善が必要である.