1. 本研究は1,400年以上地下に埋没せるクス材4ケ(No.1~4)(刳舟に製作されてゐたもの)の顯微化學的研究である。 2. 變化著しからざるものは組織學的並に顯微化學的に現存木と大差無きも,變化を蒙るものでは先づ織維素分解の傾向があり次でリグニンはフミン化する。 3. フミン化は木質繊維の二次膜よ抄初まり一次膜に及び三次膜は分解するのが一般である,中葉は抵抗性大である。 4. フミン化せる部分は,フミンHumine又は腐植炭Humuskohleと同一性状物質に變化してゐる。