本文に於てはSiemens & Halskaの木材乾燥装置に就き記述し,舊設備の短所を明記し,就中乾燥室内の温度分布を均等にする爲の放熱面の變更等に就き述べた。乾燥に必要なる熱量,給熱量及損失熱量を算定し,熱傳導數も測定したが,それはKollmannの求めた價より稍〓高いものであつた。室内の空氣述度を數ケ所に於て測定し,空氣の流れに對する抵抗を“自由斷面”-之れは材の厚さと棧木とに關係するものであるが-で以て表はれた。實驗中に於ける擴散係數を計算により求め, KollmannやEgnerの得た價と比較した。實施した乾燥時間はAWF-Rechenschreiber SR 727により與へられた乾燥時間に比して非常な長時間を要した。中間蒸煮を避けて空氣の濕度を適切に保持する事は不可能の様である。最後に木材内部の水分分布の變化の經過を述べ,水分分布状體の均衡に就いて得たる結果を報告した。(16, 1, 6日受理)