自製の装置で木材の誘電率を測定して水分との關係を見出し,更に之の方法を應用すれば極めて簡單に含水率を測定し得る目安を得た。本實驗で得た結果の概略は次の如し。 (1) 板と極板との間隙をその板の厚さに應じて制限するを要する。本装置では容量の關係上厚さ4~15mmの板は正確に測定する事が出來,之の場合の間隙は1mm以下としなければならない。(2) 板の厚さに無關係に誘電率は一定である。 (3) 水分とは密接なる關係にあり,術も柾目と板目とは略〓一致した誘電率を示すと共に,水分との關係も亦同一である。併し木口は誘電率大きく,水分の増加に伴ふその増加率も一層大てある。 (4) 水分の分布状態には無關係に平均含水率に相應する誘電率の値を得た。 以上の如くであるから,本装置を更に適當に改良すれば.その目的に應ずる板の水分を簡單に測定する装置は作製出來るであらう。