イ1949年8月より1950年8月まで,東京大学農学部北海道演習林の針葉樹林植生の高木層優占種であるトドマツ・エゾマツ及びアカエゾマツの葉の細胞液滲透価を氷点降下法に依り定期的に測定し,それらの周年季節曲線を求めた(第1図)。 ロ.滲透価の周年曲線の経過は,各種の気象条件のうち温度条件と密接な関係があり,殊に5°C及び0°Cが滲透価曲線の変曲に大きい意味を持つているらしいことが判つた。 ハ滲透価の周年曲線の変曲の様相からトド型とエゾ型の2つの型に別けられ,これらの耐寒性についてWALTER及びGOVOROVの耐寒性に対する判定基準なをあてはめると,エゾ型を示すエゾマツとアカエゾマツとがトド型のトドマツより耐寒性の大きいことが判定された。