1.本試験は1ヶ月の間隔をおいて3回,主として Metasequoia 挿木の可能性について調べたものであろ。 2.挿穗は苗木の萌芽枝より探集した長さ5~10cm,直径0.1~0.3cmのものであつて稍々斜に切断し且つ斜挿とした。 3.挿床は平鉢の中に鹿沼土,砂土を別々に盛つたこものである。 4.確定的なことは言えないが7~9月中においては7,8月区が高い発根率を示した。発根数は8月区, Callus形成は9月区に多かつた。 5.挿穗の直径の大きいものは小さい,ものよりも発根数が低いが後の生育は大径の方が旺盛であつた。 6. Callus形成と発根との関係は顕著ではなかつた。 7.鹿沼土と砂土な比較すると活着率に於てはそう著しい差はなかつたが鹿沼土の方が根が太く発根数に少なかつた。要するに本実験に数の少い貴重な材料であるため,充分な試験が出来なかつたが Metasequoia は7,8月にその側枝を挿付ければよく活着するものである事が明らかになつた。7月.以前にこれよりよい適期があるかは本年の実験結果を待たねばならない。挿木の適期及び活着,発根に対する環境因子については更に検討を要するものである。