Acacia mollissima 樹皮タンユンを標準にとりコラーゲン蛋白への吸着機構の差異を各タンニンにつき検討した。この目的のためには未処理コラーゲン並びに脱アミノ化コラーゲンに対する吸着量を求め,塩基性基が関与する吸着と非塩基性基による吸着との2つの型に大別した。以上の結果,マングローブ,アカマツ,ワツトル,チエストナツト,バロニヤ,ミロバラン,亜硫酸ケブラチヨ,の順に蛋白の塩基性基の影響が大であつた。さらに分子量と吸着機構との関係を検討の結果,分子量の大小は殆んど吸着量とは関係せず,タンニン分子構造が主要な因子であることを知つた。従つて吸着機構の検討は各種タンニンの比較のため重要な知見となし得る。 付記本実験にあたり御指導をいただいた京都大学井上教授に深謝する。