A. 1)スギに対するGB処理は,雄花芽分化促進にたいして6, 7, 8月の処理が最もよく,雌花芽分化の促進には6, 10月処理が最もよいと思われる。すなわち雌,雄花の分化期には明らかに差がある。 2)メタセコイアは明瞭ではないが6~8月の処理がよいように考えられる。 3)スギ雄雌花の着生数は,個体の大きさに比例するが,一定数以上は着生せず,上限があるものと思われる。 4)スギでは早期にGB処理してできた雄花でも,開花期には,かわりは認められず,翌年2月下旬に開花している。 5)高濃度,高回数処理では生長がかえつて抑制される。 B. 1) GBによつて開花した雄雌花とも,交配によつて充分結実,発芽する。 2)種子の形態,重量とも自然種子に対して,約1/2大しかない。 3)発芽率はGB〓×GB〓種子が,自然のものにやや劣るようである。 4)GB処理濃度は発芽率には無関係なようである。 5)メタセコイアは交配種子中わずかに4粒の発芽をみ,現在生育中である。 6)スギGB稚苗も5月現在,自然種子の稚苗と大差なく生育中である。 なお,この実験は日本ジベレリン研究会の研究の一部である。この実験に対して御教示と御協力を得た京都大学農学部小西通夫講師,理学部久世源太郎講師に深く感謝の意をささげる次第である。