周囲をマツの防風林で臨まれた裸地に餌木を50m間隔にして15カ所設置し,そこで捕獲されたシラホシゾウ属3種の成虫について,捕獲の経過と再捕獲の経過を比較検討し,これら3種がどのような機構で共存しているかを明らかにするための基礎的調査を行なった。その結果, (1) マッノシラホシゾウムシは他の2種に比べて特定の位置の餌木に集まりやすいこと, (2) 3種ともに,初めに到達した餌木から他の餌木へはほとんど移動しないにもかかわらず,再捕獲される割合が日とともに低下するが,その際分布様式の変化のしかたが3種間でちがいがあること, (3) マッノシラホシゾウムシの餌本への集まり方を I δ-指数でみると,他の2種とは異なり,捕獲数の変化と I δ-指数の値の変化に対応がないこと,などが明らかになった。