我が国の科学技術情報の発生量は全世界の約2割にも達する。アンケート調査を行った海外の研究者の約7割が, 過去2か年以内に我が国の情報を利用した経験をもつ。また我が国は各研究分野の先端を走る国として, アメリカに次いで第2位に挙げられており, 強い関心が持たれている。しかしながら我が国の情報で, 欧米の主要な雑誌や国際会議へ発表されるのは5%程度である。また情報提供機関においても, まだ積極的には情報の国際提供が行われていない。一方, 東南アジア諸国に対しては, 情報の一方的な提供だけではなく, 人的交流の面も必要である。上記の調査結果と, さらに将来の技術の発展動向を踏まえて, 今後の科学技術情報の国際的な流通について報告書をまとめたので, その概要を紹介する。