CD-ROMは, 大容量, 小型, 大量複製, 読み取り専用, 価格性能比がよいなどの特徴の故に, 画期的な情報媒体として注目されている。これまでの大型辞書, オンラインデータベースのように, 従来の情報をそのままCD化する形から, 出版情報, 部品情報のように業務に密着したもの, さらには研究開発や, 意思決定の支援システムにいたるまで種々の製品や試作品が多様な形で世に出されつつある。技術的に完成度の高い媒体ではあるが利用法との対応ではまだ多くの課題が残っており, さらに情報の流通体制に関連した問題も多い。これらについて, ミニ・シリーズ全体の総括とともに今後の展望をまとめた。