従来の図書館や博物館では資料の管理に重点を置き,情報を活用するシステムが十分でないことを指摘し,人文科学研究の基盤として,それぞれの施設が所有している資料について,画像データなども入力して現物に近い情報を提供するシステムを構築することの必要性を述べている。例として国立民族学博物館でのマルチメディアデータベースの現状と特徴を紹介している。さらに人文系のコンピュータ利用の例として,情報処理学会の「人文科学とコンピュータ」研究会での発表テーマを示し,この分野の動向を紹介している。今後の問題として,文字·画像·音響の高速処理のためのハードウェア開発の必要性を強調し,マルチメディアの総合的な装置としてのホロテークの提案をしている。