2010年頃には科学技術人材の逼迫が予想される。その頃に科学技術者となるべき若者の教育はすでに始まっているので,今どのように対処するかが重要な問題である。本稿は,科学技術政策研究所が若者の科学技術離れについて分析した調査報告をもとに,若者の科学技術観と進路選択意識について紹介した。同時に,科学技術観と進路選択の関係を構造化した「文明社会の野蛮人」仮説を紹介し,現在の若者の科学技術観の意味を論じた。最後に,これらの分析を踏まえて,我々が取り組むべき課題を提示した。