本稿はNetWorld+Interop 94 Tokyo における基調講演「国家的情報基盤 (NII)の整備の進展について」を編集, 収録したものである。関係機関の協力の下に省庁間の研究情報ネットワーク作りの取りまとめに奔走した経験を基に, 情報通信分野での日本の現況, それに対する政府の対応, 今後のあり方について述べた。クリントン·ゴア政権のNII構想により急激に議論が沸騰してきた中で, 各省庁で行われていた個別のネットワーク作りも融合統一のコンセンサスができつつあり, 日本においてもNII構想へと向かう新たな段階に入ったことを, 様々な具体例を挙げて明らかにした。また政府の規制などの今後生じるであろう様々な問題点を指摘し, 社会に大きなインパクトを与えるものであることを常に念頭において, インターネットやNIIの促進を行っていかなければならない。