本稿はJICST北海道支所設立15周年記念講演を編集し,収録したものである。 まず北海道の産業,とくに工業を中心にその特質と現状を述べ,他地域の中小企業の工業化の比較等から北海道の工業化が遅れていることを指摘した。そして,バブル崩壊後においては,大企業の誘致から地場企業の育成へと工業振興政策を見直さざるを得なくなっている現状と,それに対応して地場企業自らが技術開発を行ったり,北海道で生まれた技術を生かして発展しつつある例を述べ,地方における中小企業の今後のあり方への指針を示した。