1976年から1993年の各年における日米英等の主要7か国の収録論文数を,物理,化学,工学,医学の27分野別に調査した。この調査結果の概要は既に報告されている。この調査データを用いて先進国6か国の18年間の動向の特徴を分析した。多次元尺度構成法によって国別分野別の論文数の年次変化の特性を分析した結果,1993年の論文数と調査期間の前期と後期の論文数の差(共に,1976年の論文数に対する比で示す)の二つの指標によって変化を要約できることが明らかとなった。この指標によって各国,各分野の動向を分析したところ,日本のシェア拡大傾向は続いているものの後期になってその勢いは多くの分野で衰えていること,化学工学(CA)などの分野で我が国の動向が他の分野と異なることなどが明らかになった。