特殊教育の分野では,比較的早い時期から学校にコンピュータが導入され,その初期の段階からマルチメディア的な利用がなされてきた。しかも,児童生徒の障害種別によって,それぞれ特徴的な使われ方をしてきた。コンピュータを利用した児童生徒の指導は,盲学校・聾学校ではほとんどの学校が実施しており,感覚の障害を補償するための利用が多い。肢体不自由養護学校では,自己表現を可能にする道具としてのコンピュータの利用が多く,病弱養護学校では,教科学習への利用が多い。精神薄弱養護学校でも半数近くの学校がコンピュータを指導に取り入れており,主に動機づけを高める目的で使われている。使用するソフトウエアは市販のものが多い。