文部省学術情報センターでは,1997年度から,わが国の学会誌を対象として,電子図書館サービスNACSIS-ELSを開始し,1999年には課金システムの運用に入った。NACSIS-ELSに至るまでの,センターにおけるサービス展開の軌跡を整理し,全文情報サービスのための諸条件を分析する。次に,収録雑誌,検索システム,課金方式などについて,NACSIS-ELSの現況をまとめる。また,新たな事業であるオンライン・ジャーナル編集・出版システムを紹介する。ネットワーク接続がますます普及する中で,情報ビジネスの動向として,版元直販制の進展を指摘し,一方,学術情報の分野では,自主制作・自主公開の拡大を展望する。