ネットワーク社会を迎えて,われわれは日々,ウィルス,トロイの馬,ワームなどといったコンピュータシステムに対する脅威にさらされている。このような悪性ソフトウエアは,ハードウエアの性能向上,ソフトウエアの利便性の向上,ネットワークへの社会活動の依存度の増大にともなって進化を遂げてきた。悪性ソフトウエアとは何か,そして,それを防ぐ手だてはあるのだろうか?本稿では,悪性ソフトウエアが誕生し,発展してきた歴史的な背景から悪性ソフトウエアの問題点について議論し,現状で取りうる方策について述べる。