インターネット時代の到来により,電子ジャーナル出版は加速され,学術雑誌の世界では一般的なものとなってきた。電子出版には従来の冊子体ベースの出版物にはないさまざまなメリットが見られるが,電子化により,雑誌に縛られない,論文単位での扱いが容易となった点もそのひとつである。そして,それに応じて論文の個別売り,いわゆる一部売りサービスが登場してきた。一部売りサービスによる論文の購入は,出版社だけでなく,アグリゲータ,二次データベース経由によっても可能となってきている。ここではそれら一部売りを扱う業者を出版社,アグリゲータ,二次データベースサービスに分けて整理し,それぞれの特徴をまとめた。さらに,提供業者ごとの価格を調査し,比較を行った。