内閣府「公文書等の適切な管理,保存及び利用に関する懇談会」を契機に,アーカイブズに関する関心が高まっている。それに伴い,各省庁から国立公文書館への移管がうまくいかないなど日本の公文書館制度の問題点もクローズアップされている。基本的な問題は現用文書と非現用文書管理の管轄が違い,上流から下流まで一貫した考え方でライフサイクル管理が行われていないことが挙げられる。また現用・非現用ともにレコードマネジャー,アーキビストという専門職体制が確立していないことが問題である。質の高いアーカイブズは適切な現用文書の管理に懸かっている。これらの点は地方自治体,民間企業にも共通する課題である。