国内の学術研究団体から主に日本語で発行される約50誌の学術雑誌の著作権の取り扱いについて文献およびインタビューによる調査を行った。文献調査によれば,論文をはじめとするコンテンツの著作権は学会に帰属する場合が多く,著作権規定の中では複製権や公衆送信権,翻訳権・翻案権といった著作権法上の権利や,利用許諾,著作者の著作物利用,著作者の責任に関する規定が重要視されていた。文献調査とインタビュー調査の結果をもとに著作権の取り扱いに関する方向性を検討し,著作権が学会に帰属する場合と著作者に帰属する場合について,著作権規定の日本語のひな型を作成した。このひな型は,利用許諾を広範に認める緩やかな規定をベースとしており,インターネット上で公開し,普及活動を行っている。また,このひな型を利用して,『情報管理』誌の投稿規定を見直し,著作権規定を新たに追加した。