情報環境が激変しているなかで,情報専門家の養成とその基礎となる図書館情報学の発展のあり方は,実務現場にとっても大きな関心事である。本稿の目的は,図書館情報学の本質的なあり方を検討して,その発展的な方向性を明らかにすることである。米国における新しい潮流を確認した上で,図書館情報学は「社会のあらゆる活動の基盤としての『記録による知識共有』に関わる,人間の行為と制度と技術を扱う領域」であると規定した。さらに,対象世界を捉える枠組みとして知識情報空間(モデル)を提示し,図書館情報学の新しい構成を検討した。以上によって,図書館情報学は「知識情報学」として発展する可能性を持つことを示した。