本稿は,次世代電池に関わる機関間の共同研究の構造を国際的な視点から俯瞰することで,我が国の次世代電池に関わる国際提携戦略の立案等に資することを目的とする.具体的には次世代電池の代表として,燃料電池および太陽電池の2つの研究領域を取り上げる. 手法としては,学術論文データベースより抽出したデータの著者所属機関情報から,延著者数を計算することで,各機関の当該領域の研究実績を表す指標とした.次に,論文の共著関係を抽出することで,研究推進上関係の深い機関や国の特定を行った.以上2つの情報を組み合わせることで,主要機関の共同研究状況をネットワークとして可視化し,研究能力の高い機関の間における提携関係の特定を行った.結果として,先の手法により次世代電池に関する国際的な提携状況を俯瞰することが出来ることを明らかにした.また,2つの研究領域を比較することで,.提携状況に関する領域間の差異を特定した。