本発表では,地籍情報を有用な知識として様々な利活用を促進するための基盤知識として構造化する手法について,オントロジー工学およびLinked Open Data(LOD)によるアプローチから考察 する.オントロジー工学は,対象とする領域の知識を,人間と計算機の双方が一貫性をもって理解できるような形で体系化する手法を提供する.よって,地籍情報やそれに関わる様々な専門知識を対象としたオントロジーを構築することで,地籍情報に関する理解の共有や,異なる手法で作成された地籍情報の相互運用性の向上などに貢献することが期待される.一方,Linked Open Dataは,Web 上にオープンな形で公開されたデータを相互に連結させる(linkする)ことによって,新たな価値を創出しようとする取り込み/技術である.この技術を用いて地籍情報を他のオープンなデータと連係させることで,その有用な知識としての活用が促進されると思われる.