葉たばこで実験をした赤池重男氏の電導度による品質の鑑定は茶の品質についても,特に談則が困難と考えられていた滋味鑑別の科学的な根拠に利用できるように思われたので実験をした。その結果は限られた試料であり結論をだすまでには至らないことは残念だが,電導度が浸出液の濃度や滋味に深い関係を示すことは明らかであり,したがつて茶においても電導度は品質の研究の有効な因子として利用できる見込が充分あるのである。 この実験は秦野たばこ試験場の御好意と御協力によつて成つたもので,殊に終始御指導を賜つた赤池重男氏によるところが大きく,ここに記し厚く御礼申上げると共に,助力せる当場製茶第一研究室の竹尾忠一,佐藤哲哉の労も多とし感謝をする。