食品の色は香味とともに嗜好上大きな意義を有し,食品の美化あるいは天然食品の色彩模倣という点から食品の人工着色が存われている。食品の着色は無害の天然色素が用いられる場合もあるが大部分はタール色素(合成色素)である。タール色素はその種類も非常に多く,また毒性を有するものがあることは古くから指摘されているところである。食品の着色に使用される色素即ち食用色素は食品衛生法の取締を受けているが,未だに有害な色素で着色した食品が市場に見られる状態で甚だ遺憾なことである。有害色素の取締は更に一段と強化する必要があり,これらの色素を食品から徹底的に駆逐しなければならぬ。