(1) 18種類のプラスティックスフィルムの袋(但しクラフト紙1種類を含む)を用いて柿(品種名:平核無)の貯蔵試験を行つた。袋に柿を入れて密封し,これをダンボール箱に入れて軽く蓋をして室温(16℃~17℃)に22日間放置した。 (2) 貯蔵中及び貯蔵後の果実について黒変部の発現,軟熟をしらべたが,塩酸ゴム区が最も良く,ビニルNo.2区がこれに次いだ。ポリエチレン区は黒変部の発現著しく,特にパーホレーシヨンの場合が著しかつた。ビニリデン区は黒変部発現はすくなかつたが袋の膨脹甚しく果実に異臭味を生じた。但しわれわれの実験における黒変部は,普通の脱渋柿果にみられる黒変とは外観的にあきらかにちがうものである。 (3) 温湿度との関係及び内容成分の変化等に関して今後更に検討したい。 終りに本実験を行うに当り御指導を賜つた農林省農業技術研究所園芸部 梶浦部長,通商産業省工芸試験所包装部 福岡部長に厚く御礼申上げます。